東京で魔法に浸る ハリー・ポッター・スタジオツアー 完全ガイド

はじめに

2023年6月16日、東京 練馬に魔法の世界が開かれました。

ハリー・ポッター・スタジオツアー は、映画『ハリー・ポッター』シリーズの撮影セットや衣装、小道具を間近で体験できる日本初のスタジオツアーです。

この施設では、魔法界の舞台裏に潜り込み、映画製作の技術と芸術の融合を体感できます。原作小説や映画シリーズを知る人はもちろん、これから魔法世界を知る人にも新しい発見があるでしょう。

ここでは、展示内容、見どころ、関連作品、英国とのつながり、そしてロンドンのスタジオツアーとの違いまで、余すところなく紹介します。

ハリー・ポッター・スタジオツアー 施設概要と建設背景

この施設は、かつて遊園地「としまえん」があった場所に建設されました。

としまえんの閉園後、跡地の一部を利用して「映画の裏側を学べる体験型展示施設」として再生されたのが、このスタジオツアーです。建設にはワーナー・ブラザース・ジャパン、伊藤忠商事、西武グループなどが携わり、環境と地域の調和を意識した設計になっています。

ロンドン郊外にある本家「Warner Bros. Studio Tour London – The Making of Harry Potter」に続き、東京は世界で2番目の施設です。アジア初の展開ということもあり、英語・日本語・中国語など多言語対応が整っており、海外旅行者にも親しみやすい仕様となっています。

アクセス・立地情報

所在地:東京都練馬区春日町1-1-7
最寄り駅:西武池袋線および都営大江戸線「豊島園駅」から徒歩約2分。

池袋駅から西武線で約17分、新宿駅からは大江戸線で約20分と、都心からのアクセスも良好です。駅舎にはハリー・ポッターの世界をイメージした装飾が施され、到着した瞬間から旅が始まります。

車で訪れる場合は外環自動車道「大泉IC」から目白通り経由。ただし駐車場は事前予約制で台数が限られています。公共交通機関の利用が安心です。

チケットと所要時間

チケットは完全予約制。公式サイト(wbstudiotour.jp)で日時指定の上、購入する必要があります。

  • 大人(18歳以上):6,750円
  • ジュニア(12~17歳):5,600円
  • 子ども(4~11歳):4,050円
  • 3歳以下:無料

キャンセルは不可、日付変更には1,500円の手数料がかかります。

平均滞在時間は3〜4時間。展示は一方通行型の順路で進むため、気になるエリアでは立ち止まってじっくり見るのがおすすめです。開館直後や平日午前中は比較的ゆとりをもって見学できます。

見どころと展示

グレート・ホール(Great Hall)

ホグワーツの象徴である食堂。長いテーブル、浮かぶキャンドル、ハウス旗などが荘厳な雰囲気を作り出します。
『賢者の石』の組分け式や初めての晩餐、『炎のゴブレット』の舞踏会など、数々の名シーンが生まれた場所です。
照明や小道具の質感を眺めると、映画の美術スタッフが「光と影で魔法を作る」技を駆使していたことがよく分かります。

ダイアゴン横丁(Diagon Alley)

魔法使いのショッピング街を再現したエリア。オリバンダーの杖店、魔法書店、フローリッシュ&ブラッツ、ウィーズリー兄弟の店などが立ち並びます。

『賢者の石』でハリーが初めて魔法界に触れるシーン、『秘密の部屋』でのロックハートのサイン会などが再現可能です。

オリジナルの杖箱や薬瓶のラベルまで細部が作り込まれ、まるで物語に入り込んだような感覚になります。

プラットフォーム 9¾ & ホグワーツ・エクスプレス

キングズ・クロス駅の9と¾番線を完全再現。実際の蒸気機関車「ホグワーツ・エクスプレス」に乗り込み、撮影もできます。

『賢者の石』での初登校シーン、『アズカバンの囚人』でのディメンター襲撃、『不死鳥の騎士団』での帰省列車など、シリーズを象徴する舞台です。

現地では列車の構造や窓の映像演出も観察でき、映像制作の仕組みを肌で感じられます。

禁じられた森(Forbidden Forest)

光と闇が交錯する神秘の森を再現。巨大蜘蛛アラゴグ、ユニコーン、ヒッポグリフなどの生物が登場し、映画の緊張感を再体験できます。

『賢者の石』『秘密の部屋』『死の秘宝』に登場する森の場面が思い起こされ、音と光の演出が物語世界への没入を誘います。

魔法省(Ministry of Magic)— 東京限定展示

東京最大の見どころがこの「魔法省アトリウム」。高さ約10メートル、総面積900㎡の巨大な吹き抜け空間が広がります。

『不死鳥の騎士団』での戦闘や『死の秘宝』での潜入シーンを想起させるセットは、ロンドンにも存在しない東京限定の展示です。

魔法省の荘厳な柱や大理石調の床を歩けば、自分も官僚の一員になった気分に。

「世界で唯一、魔法省の中に“入れる”場所」として、ファン必見の展示です。

コスチューム・小道具・模型・クリーチャー効果

シリーズ全作品で使われたローブ、杖、魔法書、薬瓶、魔法生物の模型が展示されています。
小道具のラベルデザインや、衣装の“汚し加工”など、映画を本物らしく見せるための美術技法も見どころです。
ホグワーツ城の縮尺模型やセット設計図もあり、映画撮影の裏側を技術面から学べます。

5. どのシリーズを見ればいいか

最低限おすすめの2作

  • 『賢者の石(Philosopher’s Stone)』:主要セットの初登場回で、全体の世界観を把握できる。
  • 『不死鳥の騎士団(Order of the Phoenix)』:魔法省登場回で、東京限定展示とのリンクが深い。

さらに楽しむなら

  • 『秘密の部屋』:禁じられた森やダイアゴン横丁が充実。
  • 『アズカバンの囚人』:ホグワーツ特急と森の描写が秀逸。
  • 『炎のゴブレット』:グレート・ホールの華やかな装飾。

原作小説では、1巻『賢者の石』と5巻『不死鳥の騎士団』を読むと、展示の文脈が理解しやすくなります。

6. 英国・スコットランドとハリー・ポッターの背景

ホグワーツ魔法魔術学校の舞台は、スコットランド高地にあるとされています。霧の立ちこめる湖や山々、古城の姿は、現実のスコットランドの景観をモデルにしていると言われます。

映画撮影でも、グレンフィナン高架橋(Glenfinnan Viaduct)ロッホ・アイルト湖(Loch Eilt) などが実際のロケ地として登場しています。

また、原作者J.K.ローリングはエジンバラに滞在していた時期にシリーズを執筆。街の路地や中世建築が、ダイアゴン横丁の雰囲気やホグワーツの空気感に影響を与えました。エジンバラのヴィクトリア・ストリートは「ダイアゴン横丁のモデル」とされ、世界中のファンが訪れています。

こうした英国の風景を思い浮かべながら東京の展示を見ると、デザインの色味や光の方向に“イギリスらしさ”を見出せるでしょう。

フード・カフェ・ショップ

館内には3つのテーマカフェがあり、バタービールや英国スタイルの軽食を楽しめます。

特に「Backlot Café」では、ホグワーツの四寮をイメージしたメニューが提供されています。

ショップには杖、ローブ、ノート、アクセサリーなどが並び、東京限定アイテムも豊富です。

ただし、過去には「ゴドリック・グリフィンドールの剣」レプリカが日本の法律に抵触し、回収された事例がありますので、購入時は確認が必要です。

注意点と体験のコツ

  • チケットは公式サイトまたは認定販売先でのみ購入。
  • 再入場不可。飲食は館内で済ませましょう。
  • 展示は一方通行型のため、見逃し防止にメモやスマホで記録を。
  • 写真撮影可能エリアと禁止エリアが分かれています。
  • 混雑回避には朝一番の時間帯が狙い目です。

よくある質問

Q. ロンドンのスタジオツアーと比べてどう違う?

ロンドン版(リーブスデン)は実際の撮影拠点で、屋外バックロット(プリベット通り4番地、夜の騎士バス、ホグワーツ橋など)やグリンゴッツ銀行エリアを実際に歩けます。撮影で使われた本物の小道具が多く展示され、映画史資料館のような深さが特徴です。

一方、東京版は「没入型」に特化しています。

  • 魔法省アトリウム(東京限定セット)は、世界で唯一、来場者が内部を歩けるフルサイズ展示。
  • 世界最大級のバタービール・バーや広いカフェ、グッズショップがあり、食と体験を融合させた構成。
  • グリーンスクリーン体験など、来場者自身が“魔法の中に入る”演出が豊富。

つまり、ロンドン=原物の聖地、東京=没入と再現の極致。映画の“裏側”を見たいならロンドン、魔法の“中”を歩きたいなら東京。

どちらも異なる魅力で、ハリー・ポッターの世界を体感できます。

まとめ

東京のハリー・ポッター・スタジオツアーは、物語の魔法と映画制作の魔法をつなぐ場所です。
グレート・ホールの静けさ、ダイアゴン横丁のざわめき、魔法省の威圧感――それらはすべて、長年のファンにも新しい発見をもたらします。

そして、スコットランドの湖やエジンバラの石畳の記憶を重ねながら歩けば、遠く離れた英国の空気が東京で蘇るはずです。

魔法の物語は終わっていません。
それは、あなたが扉をくぐるその瞬間から、再び始まるのです。

この記事の英語ページはこちら↓↓↓

https://japan-walking.jp/english/harry-potter-studio-tour-tokyo
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